住まいの資産価値はどうやって決まる?将来的な売却にも備えよう
住宅は資産になる、という理由でマイホーム購入を決める方が多い一方、将来の売却まで考慮して購入する方は少ないのではないでしょうか。事前に計画立てて住宅購入しないと、資産になるはずだった住宅が負の財産となってしまいます。ここでは、資産価値を意識して住宅を購入するべき理由や、買うときのポイントをご紹介しましょう。
なぜ資産価値を意識するべきなのか
住宅購入するときに、なぜ資産価値を意識するべきなのでしょうか。こちらで解説します。
手放したいときに手放せない
家族の転勤や進学、ライフステージの変化などで、マイホームを手放す必要が出てくる可能性もゼロではありません。売却や住み替えを考えるとき、売却金額よりもローン残高の方が大きい場合は、手元の現金を準備する必要があります。いつでも売却できるという安心感がなく、人生の転機において選択を狭めてしまうでしょう。
贈与・相続時のトラブルになる
資産価値を意識せずに住宅を購入すると、子どもや孫に資産を残すつもりで購入したマイホームが、負の財産となってしまう可能性があります。資産価値のない住宅は、せっかく子や孫に贈与や相続しても買い手がつきません。固定資産税や維持費だけがかかってしまう住宅は、贈与・相続される側も迷惑となってしまいます。
立地がよいと資産価値が高い
住宅の資産価値は、土地で決まると言っても過言ではありません。売却時に建物の価値がゼロにひとしくなっていても、土地に価値があれば、高額で売却することが可能です。
建物の価値は下がりやすい
木造住宅の法定耐用年数は22年です。つまり、築22年の一戸建ては、建物価値はゼロの評価となります。しかし、土地代は上下することはあっても、経年によって下がることはありません。したがって住宅を購入するときは、価格が下落しにくい土地を選ぶことが大切です。
駅近物件
駅近の物件は、購入でも賃貸でも人気の立地です。経営状態に存続を左右される商業施設と違って、たとえ20年、30年経っても、駅がなくなることはほとんどあり得ません。したがって、長期的にみても駅近の物件は、時間が経過しても土地の値段が下がりにくいといえます。
人気のエリア
行政が子育て支援などに力を入れていて人口が増えているエリアなど、人気のエリアは立地がよく、土地の価格が下がりにくいといえるでしょう。たとえば、子育てしやすい街として有名な大阪の豊中市では、2021年の土地価格は2011年に比べて26.4%も上昇しています。
災害リスクの低い土地
地盤が安定している地域や風水害の少ない地域は、土地価格が高く評価されます。売却のときだけでなく、せっかく建てたマイホームが災害の被害に遭ってしまっては、意味がありません。
建物の形や間取りも重要!
建物の資産価値には、法定耐用年数意外にも左右するポイントがあります。
間取り
建物価値を決める上で、間取りも重要です。地域によって人気の間取りは異なります。たとえば都内では1LDKや2LDKが人気ですが、地方では家族向け用の4LDK以上の大きめな間取りの需要が高い傾向にあるのです。家を建てる際は、購入する地域の家族構成などが、自分の建てたい家の間取りとかけ離れていないかも確認しておくとよいでしょう。
建物の形
建物の形も重要なポイントです。売却のことまで考えると、オリジナリティーの高すぎる建物の形は売却時に価値を落としてしまう原因となります。
第三者目線でも「よい家」を買うことが大切!
売却時の資産価値を考慮すると、第三者から目線で見ても「よい家」の購入が、売却時には大切なポイントです。
ハウスメーカーや工務店
信用度の高いハウスメーカーや工務店が建てた家は、購入者側からの信頼度が上がります。家は一見メンテナンス状況などはわかりづらいことが問題です。しかし、アフターフォローやメンテナンスが整っている会社が建てた家であれば、記録もしっかり残してくれるため、購入者側の心配も取り除くことができます。
土地の形状や大きさ
建物同様、土地の形状や大きさも、誰がみても家が建てやすいと思えるようなものが好ましいです。奇抜な形や大きすぎる土地でも買い手がつかない可能性があります。リセールバリューを考えるのであれば、ご自分の好みに合わせるだけでなく、一般的によいといわれる家を購入する必要があるでしょう。
まとめ
住宅の資産価値の重要性から、決める際のポイントまで詳しくご説明しました。マイホームを購入するときは、つい自分だけの家づくりに夢中になってしまい、リセールバリューのことまで気が回らなくなってしまいがちです。しかし、売却することや相続する可能性があることまで考慮して計画することで、ご家族の資産形成に大きく役立つでしょう。購入の際は、立地のよい人気のエリアを選ぶことで、土地の価値が下がりにくくなります。さらに、建物の形や間取りにも気を配り、誰からみても欲しい家をつくることが、売却に困らない家づくりをすることができるでしょう。理想のマイホームを手に入れる際は、ご説明したポイントを念頭においた上で、不動産会社に相談してみてください。