買取再販物件ってどんな物件?買う側のメリットや注意点とは
「買取再販物件」というとあまり聞きなれないという方も多いのではないでしょうか。買取再販物件とは、不動産会社が中古住宅を買い取り、リフォームやリノベーションを施したうえで再販売する物件のことを指します。本記事では、買取再販物件の特徴や、購入する際のメリット・注意点について解説します。
買取再販物件とは
買取再販物件とは、不動産会社が中古物件を買い取り後、リフォームやリノベーションを施して再販売する住宅のことを指します。これは、一般的に不動産会社が既存の住宅を購入し、そのまま転売するのではなく、物件の価値を向上させるためにリフォーム工事を行い、見た目や機能面で新築同様の状態に仕上げたうえで販売するという形態です。最大の特徴は、リフォームやリノベーションによって、内装が新築に近い状態になることです。
そのため、購入者は中古住宅を購入しながらも、新築同様の快適さを享受できるという大きなメリットがあります。ほかにも、新築物件よりも価格が安くなりやすいなどさまざまなメリットがあります。しかし、買取再販物件として販売されるためには、いくつかの条件が設定されています。たとえば、物件は築年数が10年を超えていることが要件となることが多いです。また、リフォーム・リノベーションにかかる工事費用が、売買価格の20%以上であることも基準となります。
これにより、購入者がしっかりとした価値向上を実感できるようになっています。ただし、注意すべき点もあります。すべてのリフォーム済みの物件が買取再販物件に該当するわけではなく、適用される基準を満たしているかどうかが重要です。また、リフォーム内容が一部の箇所だけの場合や、規模が小さな場合もあるため、購入者はリフォームの詳細について確認することが必要です。
買取再販物件を買うメリットとは
中古物件は購入から住み始めるまでに時間がかかることが多いですが、買取再販物件はそのような手間や時間を省けるなど、多くのメリットがあります。ここでは、買取再販物件を購入することの主な利点をご紹介します。
購入後すぐに入居できる
買取再販物件は、すでに必要なリフォーム・リノベーションが行われているため、購入後はすぐに新しい住まいとして使うことができます。これにより、リフォームの手間や追加費用を避けることができ、手軽に快適な生活を始められます。さらに、リフォームの品質次第では、新築マンションよりもリーズナブルな価格で手に入れることができる場合もあります。
契約不適合責任が付与されている
買取再販住宅では、売主が不動産会社である場合、最長2年間の契約不適合責任を負うことが義務付けられています。これにより、万が一契約後に不具合が発生した場合でも、適切に対応してもらえるため、中古住宅を購入する際のリスクを軽減できます。多くの中古マンション取引では、この契約不適合責任が免責とされていることもあるため、買取再販物件は安心して購入できる選択肢です。
仲介手数料がかからない場合がある
買取再販物件を不動産会社から直接購入する場合、仲介業者を通さないため、仲介手数料が発生しないことが多く、購入費用を抑えることができます。場合によっては、仲介手数料が割引されることもあり、大きな節約につながります。ただし、別の不動産業者を通す場合には、仲介手数料が発生するので、事前に確認しておくことが重要です。
節税効果が期待できる
住宅ローン控除の期間が新築と同じ最大13年まで適用され、最大5,000万円の対象額で0.7%の控除を受けることができます。一般的な中古住宅購入では、控除期間が短く、控除額も少ない場合が多いため、税金の面でも大きなメリットを享受できます。
瑕疵担保責任が売主にある
売主が不動産会社であれば、最長2年間の保証がつくため、万が一の不具合に対しても対応してもらえます。これにより、購入後の予期しない修理費用の心配が少なく、安心して暮らし始めることができます。
買取再販物件を購入する際の注意点
買取再販物件にはメリットが多いですが、購入する際にはいくつかの注意点があります。以下に主なポイントを挙げ、購入時のリスクを回避する方法を解説します。
事故物件の可能性
過去に事件や事故が発生した物件は、事故物件として扱われ、売却が難しくなります。このような物件は、買取再販業者が安価に仕入れ、リフォームを施して販売しています。安く購入できたとしても、事故物件には心理的なハードルがあるため、購入を決める前に過去の履歴を確認し、リスクを十分に理解しておくことが重要です。買取再販業者に履歴を尋ねることをおすすめします。
リフォーム工事の質にばらつきがある
買取再販物件の多くは、リフォームが行われています。しかし、費用を抑えるために低品質な材料が使用され、リフォーム工事の品質が一貫していないケースも珍しくありません。その結果、長期的な耐久性に問題が生じる場合もあります。内覧の際にはリフォーム履歴を確認したり、可能であれば専門家の意見を求めるとよいでしょう。また工事の質が不安な場合、追加の修理費用がかかるリスクを考慮する必要があります。
見えない部分の不具合を見逃す可能性
リフォームが施された物件では、見えない部分の不具合を発見するのが難しい場合があります。たとえば、配管設備や構造部位、断熱性能など、外見からは確認できない箇所に不具合があることも少なくありません。このような見えない部分の不具合は、購入後に発覚すると修理が高額になることもあります。見えない部分について、リフォーム業者に使用された材料や工事内容を確認することが大切です。これらのリスクを回避するために、ホームインスペクションを実施して、専門家目線で物件の状態を徹底的に調査・診断してもらうとよいでしょう。
まとめ
買取再販物件は、中古住宅をリフォームして販売するため、新築同様の品質を備えつつも、価格が抑えられた住宅を提供する点が特徴です。購入後すぐに入居できる、契約不適合責任がある、節税効果があるなど、さまざまなメリットがあります。しかし購入するときは、事前に適用要件やメリットを理解し、事故物件の履歴を確認し、リフォーム工事の質をチェックするなどの準備が大切です。これから中古物件の購入を考えている方は、ぜひ買取再販物件を選択肢のひとつにしてみてはいかがでしょうか。